9月 10, 2012
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チーク無垢材の経年変化事例 横浜 氷川丸

氷川丸

以前30年経過したチークフローリングを紹介しましたが、今回はなんと施工後80年経過したチークを見学に行きました。場所は横浜 山下公園に係留している氷川丸です。昭和の時代を生き抜いた豪華客船で現役当時の装飾を残している貴重な歴史資料にもなっています。

1930年に竣工した氷川丸は横浜~シアトルを結ぶ豪華客船で、チャーリー・チャップリンや秩父宮雍仁親王、ノーベル賞受賞者の小柴昌俊氏や下村脩氏が乗船しました。豪華客船らしく1等船室の内装はフランス人デザイナーのマルク・シモンの設計によるアール・デコ調のクラシカルな装飾です。実際に見て回る船内見学ルートでは、当時のサインや什器などを実際に見ることができます。これがまた、ノスタルジックで格好いいんですよ。

チークのデッキ氷川丸操舵室のチーク床材一等船室の内装

(写真左から、80年ものチークのデッキ、操舵室のチーク床材、一等船室)

室内の装飾にもチーク材は数多く使用されています。

一等社交室

アールデコ調の一等社交室

一等特別室

一等特別室

屋外デッキのチークは80年前の竣工時のものを磨きながら使っているということです。(中には補修で張り替えた部分もあるそうです)。 木口部分を見たのですが、厚みは65mmくらいありました。また、長さは7mくらいの柾目材で圧巻です。今となっては、このサイズを見つけ出すのは困難を極めるでしょう。

柾目のチークデッキ材

柾目のチークデッキ

太平洋の照りつける太陽と波浪をうけても朽ちることなく今でも滑らかな質感を残すチーク材は、耐久性がとてもありますので何世代にもわたって使い続けることができるので、とてもエコな建材といえます。また、クルーザーやヨットのデッキ材に使われる理由として、南洋広葉樹でありながらも堅すぎない材質なので、万が一転倒しても衝撃が少ないというのもメリットだそうです。

(木材の堅さは結構重要で、堅すぎると足が疲れてしまうし、柔らかすぎると傷がつきやすいので、堅すぎず柔らかすぎずというところがポイントになります)

見学した日は日光が照りつける気温32度の真夏日でしたが、チークデッキ表面は素手で触れる程度の熱さです。一方、モルタル仕上げのところはアツアツで触れない感じです。チーク材は内部に空気層を持っており熱伝導率が低いので、直射日光に当たっても火傷するように表面温度が上昇するような事はないのです。アジアのリゾートホテルのプールデッキやデッキチェアなどにチーク材が使われているのは、こうした快適性があるからでしょう。

チークデッキ材の表面温度

熱くならないデッキ表面

航海当時のデッキチェア

航海当時のデッキチェア

操舵室のチーク床材

操舵室のチーク床材

非暴露部のチークデッキ

非暴露部のチークデッキ

チーク材の洋風格子戸

チーク材の洋風格子戸

機関室は現役時代のまま残されています。これまた武骨で格好いいです。

氷川丸の機関室

氷川丸の機関室

横浜の観光地として有名な山下公園と氷川丸です。初めて船内に入ったのですが、古き良き昭和の時代を感じる事ができる場所でした。機関室も計器類は全てアナログで当時の航海の様子を思い浮かべることができました。入館料は大人200円と安いので、横浜観光に乗船してみるのも良いのではないでしょうか。

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